今回は「第9回 : 自分のことが嫌いな人へ ~自尊心について~」「第33回 : The Secret Life of Walter Mitty ~自尊心について 2~」、そして「第54回 : 認められるということ」「第65回 : 自己肯定感と承認欲」に続く自尊心がテーマです。世界53カ国で自尊心を測定する同じ尺度を用い比較したところ、日本は自尊心が最も低い国でした*1。

自尊心を語る上で欠かせない絵本があります。

1. The Missing Piece(邦題:僕を探しに)

 

一部が欠けた「円」が、そこを埋めてくれるパートナー(ミッシング・ピース)を探しに出ます。長く困難な道のりです。候補に出会いますが、小さすぎたり、尖りすぎたり、形が合わなかったり、簡単に取れちゃったり、壊れやすかったり。そうこうしているうちに、ようやくジャストフィットのピースに出会います。きれいな円になったおかげで、転がるスピードは上がります。

 

でも速すぎます。かくして、完璧な円を作ってくれたピースを手放すことにします。欠けた部分のある、そのままの自分でいる方がよかったのです。

2.The Missing Piece Meets the Big O(邦題:続僕を探しにビッグ・オーとの出会い)

 

今度は「The Missing Piece」の欠けた部分の形(三角形)をしたピースが主役です。自分がはまることで完璧になる相手を探しています。自分自身は角ばっているので、自分では転がれません。そのジャーニーのなかで、合体することに興味のない人、去っていく人、欠けている部分が過大な人、欠けている部分にすでにたくさんすぎる埋め合わせをしている人、ただ通過する人などに会いますがマッチしません。

 

主役のピースは自分を飾りたてることで注意を引こうとしますが、助けにはなりません。そしてついに、ふさわしい相手と出会います。合体してまんまるになることで、よく転がれます。

 

しかしそのうち、主役のピースが大きくなってしまい、合体相手から「そんなこと聞いてないよ」と批判されます。そして見捨てられてしまいます。そこへ現れるのが、ビッグOという完璧な円です。彼は何もいらないと言います。三角のピースを、それはあなたであって、何も足し引きする必要がないよ、と言います。そして、自分で転がってみたらとアドバイスするのです。

 

最初はできないと思っていた三角ピースの主役は、しかし、転がることを初めてトライします。最初は痛みを伴います。しかし随分長い時間ののちに、少しずつ動けるようになるのです。それとともに角が取れて丸くなっていったのです。そして、ビッグOとの再会では、一つの自立した存在同士としての関係となるのです。

人間関係、自尊心、結婚関係、共依存、知足(足るを知ること)など、さまざまなテーマを含んでいることにお気づきになるでしょう。作者は、シェル・シルヴァスタイン(Shel Silverstein)で、「The Giving Tree(邦題:大きな木)」の作者でもあります。

《書籍紹介》
1.「The Missing Piece」(邦題:僕を探しに)
2.「The Missing Piece Meets the Big O」(邦題:続僕を探しに ビッグ・オーとの出会い)
3.「The Giving Tree(邦題:大きな木)」

*1 Schmitt, D. P., & Allik (2005). Simultaneous administration of the Rosenberg Self-Esteem Scale in 53 nations: exploring the universal and culture-specific features of global self-esteem. Journal of personality and social psychology, 89(4), 623.)