あなたの脳を知る

あなたは自分の脳を見たことがありますか。

CTスキャンやMRIという検査を行ったことがある方がいらっしゃるかもしれません。それら検査では脳の構造を見ることができます。しかしあなたの脳の個性や働き具合をみるのは意外と容易ではありません。PET、SPECT、fMRIといった高価な検査を受けなければならないでしょう。

今回ご紹介するQEEGというのは、比較的安価にあなたの脳の機能がみれる検査です。

QEEGは、Quantitative Electroencephalographyの略称です。Electroencephalographyというのは脳波として昔から知られています。脳波は、脳の各場所からの活動を波として記録します。QEEGではそれをさらに解析し、脳全体の活動状況を定量化(Quantitative:数値化といってもよいでしょう)して見せてくれるのです。結果、膨大な情報がもたらされる方法です。

実際の例をお見せするとわかりやすいでしょう。

《QEEGの例》

このように色鮮やかにあなたの脳の様子がわかります。各円が脳です。上が前(鼻の方向)で、丁度脳を上から見ているイメージです。黄色のところは、同年代の方々の平均よりもある周波数の脳波が増えていることを示し、青いところは減っていることを示します。その増減は脳の活動状況を反映するとされています。脳の場所に応じてそれがわかりますから、各部分の脳機能との関連付けもできます。

 

例えば、脳の前の方(前頭葉といいます)の活動が低いとわかると、その部位が担当する集中力、決断力、感情のコントロールなどの機能が落ちている可能性があります。さらには、脳のある場所と場所の神経のつながり具合なども特殊な解析でわかります。注意欠陥多動性障害、自閉症、うつ病、不安、頭の外傷、記憶(記憶力の低下や認知症へも試みられています)などについて貴重な情報を提供してくれます。

以下に、ざっと特徴的なQEEGのパターンを示します。

  1. ストレスの多い方、悩みの多い方。

    早い波(ベータ)が前頭葉を中心に増えます。

  2. 集中力の低下がある方、あるいはADHD (注意欠陥多動性障害)。

    遅い波シータ波などがやはり前頭葉で増えます。

  3. 気分の浮き沈みが激しい方。

    側頭葉左右で脳波の活動に変化がありえます。

  4. うつ症状のある方。

    前頭葉で活動が落ちている傾向が見られます。

そして何より、皆さんのQEEG結果は個人個人違います。脳に個性があることがわかります。「正常な脳はこうです」と紋切り型には言えないのです。先に示したような病態がなくても、我々の脳の「個性」をみるのに参考になるのです。

 

ある脳のパターンは、タイプAと呼ばれる、いつも何かに追われていたり怒りを抱えた性格傾向を示す場合があります。また権威に対してうまく折り合えないといった方達にみられやすいパターンもあります。さらには脳はあまり活動していないのに、親からのプレッシャーに応えるため脳が頑張ろうとしている様子が見られたりもします。

当クリニックでは、このQEEGの情報をもとに、脳の活動を整えることを考えます。以前にもお話ししたrTMS(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation - 反復経頭蓋磁気刺激法)第16回「『うつ』今注目の最新治療『TMS』」を行う際にもこの情報を参考にします。

脳は視覚化しにくい臓器であり、治療がそれぞれの方の個別の違いに配慮できないことが多いという問題点があります。QEEGという技術は、そこから一歩進み、テイラーメイド診療を可能にするものです。

当クリニックでは、QEEGそしてrTMS治療を行っております。お問い合わせがありましたら、ご遠慮なくどうぞ。