​親業と心

マインドフルネスの真髄は、何かに注意を向けるというシンプルな方法で、ヒトの良いところを引き出すことだと思っています。雑多な考え、煩い、人を支配したい願望、我欲などは、えてして私たちの他者への反応を厳しくしたり、思いやりを持って接することを難しくしたりします。マインドフルネスはそういった雑多をなくすことで、良くない私たちを減らすと思います。

子育てでは、例えば思春期の子供を持つ状況で、子供の自立願望と、親は子供をまだ管轄下に置いておきたい支配願望や我欲の子供への転嫁などが衝突を生みます。そこでマインドフルネスは、良い自分を引き出すことで衝突を減らします。また、衝突の大きな意味を見ることを促します。子供が親を離れ、親が子供を離れるプロセスです。すると違った景色が広がってきます。

 

また、子供の将来を心配するあまり、自分の期待を転嫁して子供を苦しませる場合については、期待よりも子供のありのままを尊重するという、やはりマインドフルな姿勢が役に立ちます。そうはいっても、子供たちはまだ未完成であり、最低限の制限やルールは必要です。しかしそれは支配欲や心配からくる縛りとは違う次元です。ではどこまでが必要十分な制限か。

 

このさじ加減を知るのにも、マインドフルネスが助けになります。思いやりと厳しさ、利他と自尊、境界線の見えないこの分配を、絶妙のさじ加減でマインドフルに行っていくことが、マインドフルネスの隠れた効用だと思っています。

子供と一緒にマインドフルネスを行うことは、親業の地盤を提供してくれるでしょう。子供に思いやりが育まれ、社会で衝突が減るという変化は、カリフォルニア州オークランドのデータにも表れています。

(文献:http://www.mindfulschools.org/about-mindfulness/research/#mindful-schools-research-study