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ペットロス症候群
現在とある町のドッグレスキューに来ています。
ペットが人間社会の中でより大きな位置を占めるようになって久しいです。それは人類が豊かになったせいなのか、それともストレス社会が憩いを求めているせいなのか。
友人の犬は脊椎に腫瘍ができ、化学療法を受けています。検査のMRIは2,000ドルだったといいます。保険に加入していればそこまでかからなかったのですが、保険料は全治療費同等の額になるそうです。
ペットロス症候群が言われるようになっても久しいのですが、クリニックを訪れる皆さんのお話を聞くと、人間の肉親を失うのと全く変わりません。その共感の強さというとさらに独特のものがあるかもしれません。
ここドッグレスキューにいると、人間たちの犬たちに対する愛着がいかに強いかがよくわかります。
レスキューには様々な動物(犬、猫はもちろんのことウサギや馬もいます)達がおり、運営するボランティアの人たちは次から次へと送られてくる動物たちを引き取ってもらえる人を見つけるのに苦心しています。一方ここには9歳の犬たちが一つのケージに永くおり、彼らの引き取り手は難しいだろうなぁというスタッフのぼやき声が聞こえます。
ペット達の一生も厳しくなり、出会いと別れがあります。人間との関係もまた、より対等の関係として続いていくのでしょうか。彼らもうつ病になることはよく知られています。
人間よりも寿命の短い彼ら。ペットロスは人間に喪失体験をよりたくさん経験させることになります。アタッチメント、つまり愛情共感を持った関係というものを求める我々とこの現象は無関係ではないようです。
しかし彼らから与えられる癒しというものは何ものにも変え難いですね。無条件の愛を提供してくれる彼らを失う事は、ことさらつらいものです。
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