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​資本主義とマインドフルネス

事実は小説より奇なりと、言いますが、今は現実がけたたましく変化している時です。日々がドラマと言ってもいいでしょう。

今年のアカデミー賞は、それを捉えた映画たちが多数みられました。そのなかで、最優秀作品賞を受賞したのは「Nomadland」でした。​

正直、単調な映画は眠りを誘いましたが、フィクションとノンフィクションを組み合わせた、まさに現実ドラマです。ノマド、つまりキャンピングカーで生活する人々を描いた作品です。2014年頃からの「ノマド」生活を追った記事が元だそうです。リアルに世相を、そして、アメリカにいながらの「恐怖」を描いています。

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​資本主義、テクノロジー、ITメガ企業、高齢化、住宅ローン、そして年功序列でリタイアするというパターンの消失。多くの登場人物は、時代にはじき出された高齢者で、パートタイムの収入を頼りに、キャンピングカーで生活しています。

格差の厳しい環境から努力で抜け出すというストーリーもはびこる中、この作品はヒーロー伝ではなく、リアルな人々の少し悲しい話です。ノマド、フルタイム・トラベラー、バンライフ、自主ホームレス、ミニマリズムなどは、すべてつながる時代のトレンドでしょうか。

この映画の舞台も、しばらく前250人ほどだったノマド・コミュニティーは、今や5000人に膨らんでいるそうです。アメリカのサバイバル・ストーリーがそこにあります。いえ、世界も同様でしょう。

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資本主義は成長資本主義となり、1980年代のサッチャー、レーガンが支持し、さらにクリントンもオバマも能力、学歴を推してきた結果、残された人々はイラつき、上を妬みます。

それがトランプ大統領発生であり、暴徒へと続いたという、この内面の憤りを指したのが、マイケル・サンデル氏の近著「Tyranny of Merit」です。

超高速のジェット機に、パイロットなしで乗っている我々。
メガ企業とテクノロジーが、瞬時にログ変化 (対数的変化) を起こします。資本家がその余剰ゆえにマインドフルネスを取り入れ、それが今「広く」行き渡っているのは、この ‘サバイバル’ を生き抜き、この世相でも幸せを見出そうとする私たちの汗の表れではないでしょうか。

禅も仏陀も、飽食から出て、その叡智は、結局世の中を広く中和するのに役立つ不思議なパターンがあります。

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